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Researches and Studies
調査研究
Feline Sterilization at 5 months accepted as new normal
猫の5ヶ月齢での不妊去勢手術がニューノーマルに
フィリップ・A・ブッシュビー(獣医学博士・科学修士・米国獣医外科学会認定専門医)
全文
ピラミッド
解説
この記事では、長年日本と同様、根拠なく猫の不妊去勢手術を6ヶ月齢まで待つ文化だったアメリカで、近年では5ヶ月齢までに手術を終えることが新常識になりつつあることを発表しています。改革の立役者となったFeline Fix by Fiveキャンペーンと当会は、積極的に交流し多くのヒントを得ています。日本でも同様の改革を起こすことができると当会は確信しています。
何十年もの間、獣医師は猫の不妊去勢手術を6ヶ月齢以降で行うことを推奨してきましたが、どの文献においても、猫が性成熟を迎えるまで手術を延期させる根拠を科学的に証明したものはありませんでした。


猫の不妊去勢手術の推奨月齢を再検討するため、2016年に獣医師タスクフォース(※特別の課題の早期解決を目的そして編成されたプロジェクトチーム)が設立され、ここで、猫の不妊去勢手術を5ヶ月齢以下で実施することが推奨されました。その合意文書によると、「現時点での科学的根拠に基づき、初回発情前の子猫(メス)に不妊手術を施すことには、以下のメリットが挙げられています。


  • ・乳腺腫瘍発症率の減少(3番目に多い猫の悪性腫瘍)
  • ・生殖器の緊急疾患である子宮蓄膿症や異常分娩(難産)の排除
  • ・4ヶ月齢以下もの早い時期で起こりうる予期せぬ妊娠の回避
  • ・猫を手放す要因となるような問題行動を減少させる可能性


獣医師タスクフォースは更に、オス猫の去勢手術の時期も5ヶ月齢以下で実施することを推奨しています。性成熟前の去勢手術は猫を手放す要因となりうるような生殖行動の発現を減少させます(徘徊、喧嘩、スプレー行動)。オス猫の性成熟前の去勢手術が尿路閉塞を引き起こすかもしれないという旧説は否定されました。 獣医師タスクフォースからの報告を受け、猫の不妊去勢手術の新しい推奨時期を獣医師及び民間に広めるために、Feline Fix by Fiveキャンペーンが立ち上がりました。現在ではAmerican Veterinary Medical Association (AVMA)(※世界最大の獣医師団体である米国獣医師会)、American Animal Hospital Association (AAHA)、Association of Shelter Veterinarians (ASV)、 American Association of Feline Practitioners (AAFP)、そして14の州獣医師会がこれを支持し、多くの動物愛護団体が5ヶ月齢以下での不妊去勢手術に賛同しています。


ピラミッド
※Eyes4Researchによる調査
2021年初期、獣医師が猫の不妊去勢手術の推奨月齢を下げているかを確認する全国調査が行われました。その調査によると、61%の獣医師がメス猫の卵巣子宮全摘出術を5ヶ月齢以下で、51%がオス猫の去勢手術を5ヶ月齢以下で推奨していることが分かりました。
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